『ことりのおそうしき』
『ことりのおそうしき』
マーガレット・ワイズ・ブラウン文
なかがわちひろ訳
- 作者: マーガレット・ワイズ・ブラウン,クリスチャン・ロビンソン,なかがわちひろ
- 出版社/メーカー: あすなろ書房
- 発売日: 2016/03/25
- メディア: ハードカバー
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絵本に対するイメージってありますよね。
タイトルに”おそうしき”という言葉。とっても強い言葉です。
ストーリー。
こどもたちが公園で小鳥が死んでいるのをみつけます。
初めて死んでしまった生き物に寄り添う子供たち。
子供たちは生き物が死んで悲しいという気持ちを体験します。
そしておはかをつくってあげて小鳥に歌を歌ってあげます。
子供たちは小鳥をみつけてよかったと思うのです。
『こどもたちはなきました。あんまりきれいでかなしいうただから。
もりはみどりのにおいがいっぱいで、そしてことりがしんだから。
こどもたちはおはかのまわりにしろいすみれとちいさなおはなをかざりました。
おはなはしずかにしおれていきました。
それからもこどもたちはやってきて、おはかのまえでうたをうたいあたらしいおはなをそえました。
はじめはまいにち、そのうちときどき、やがていつしか、ことりのことをわすれてしまうまで。』
死をうけいれるときはひとそれぞれの受け入れ方があるでしょう。
この絵本は変に大げさにならずに、命が終わること、
そのまわりにはその命を囲む命があっていろんな気持ちになること、
そしてそれは自然の道理であってまるごと受け入れていく姿が淡々と描かれています。
私がこの絵本を読んで感じたことは、人間も自然の一部であるということ、
自然の一部であるから命も自然に枯れていくということ。
いろんな命が巡っているのだということ。
まわりの命がそれを悲しむのはいけないことではなく、それも含めて自然の一部であって、時はながれ、まわりの命もまた元気をとりもどしていくこと。
すべての命がまわりに影響をあたえていること。命は大切であること。学ぶこと。
自分を大切にして命を精一杯いきること。
などでした。
まだまだ私にはとてもむつかしいテーマでした。
最初、おそうしきというタイトルにちょっとびっくりしたのですが、
子供にとっても大人にとっても死をとらえるということは根本的に
同じことなのだと感じました。
それは当たり前のことなのだけど。
死をきちんと受け止めることは自分らしく自分を大切にしてせいいっぱい生きることにつながっている気がしました。