大人も読める絵本

日々の暮らしの中でなぜか自分のアンテナにひっかかった絵本や本を紹介していきます。

『とんでもない』

『とんでもない』

       鈴木 のりたけ

     

 

 

 

 

とんでもない

とんでもない

 

 

 

 


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  クスクスしちゃう絵本。

 

 

  とんでもない。という鈴木のりたけさんの絵本。

 

 絵本の表紙がリアルかついい意味で情けなさただよう絵で

 心をつかまれました(^^。

 鈴木のりたけさんの絵本っていつも絵がとってもリアルで隅々まで

 観察してしまいます。

 今回の『とんでもない』ではとくに、うさぎの絵が荘厳な

雰囲気すぎて肖像画のようでした。ぜひ確認していただきたいです!

 もちろん他の鈴木のりたけさんの絵本も絵をみていただきたいです!

 

 内容はこんな感じ。

 

 

 ・ぼくはどこにでもいるふつうのこ

 ぼくにしかできないこと ぼくにしかないすごいところ

 そんなのひとつも みつからない

 さいはいいなあ よろいのような りっぱなかわが かっこいい

 あーあうらやましい

  一方のサイはというと、、、、、

 ・よろいのような りっぱな かわが うらやましいって?

  とんでもない おもいんだよ

 これであるきまわるためには ちからがひつようだから

 たくさんたべなきゃならない よろいのために たべているようなものだ

 ぼくのためによろいがあるのか よろいのためにぼくがいるのか

 よくわからなくなるよ

 うさぎみたいに ぴょんぴょんはねまわってみたいよ

 

 一方のうさぎはというと、、、、

 

 

 とこんな感じでお話しは続いてゆきます。

 

 ・ぼくは さいみたいなよろいはない

  ぼくは うさぎみたいにぴょんぴょんはねられない

  ぼくは くじらみたいに おおきくない

  ぼくは きりんみたいにくびがながくない

  ぼくは とりみたいにそらをとべない

  ぼくは らいおんみたいにつよくない

  ほんをよむのがすきな どこにでもいる ふつうのこ

  それが いいなって?

  とんでもない

  にんげんのこどもだっていろいろたいへんなの

 

  普段生きているとあたりまえのことすぎて忘れてしまいますがひとの

 ことがうらやましく思ってしまう瞬間、自分にはなくて周りの人たち

 はなんでももっているように、なんでもできちゃうように見えてしまう

時ってありますよね。

 そして、自分のダメなところばっかり目についてしまって自分は何にも

 できないように考えすぎてしまうこと。 私はよくあります(笑)。

 でも、それはすべて私の方から見えるだけの世界であって、周りの

誰かからは違った世界で見えているわけです。

 この世の中ってそんな感じ。

 自分のたくさんいいところがある中で、たったひとつのだめなところを

ピックアップしてきて相手の悪いところもそりゃあるだろう中の

これまたピックアップしてきたいいところと比べてしまう、、、

これってとってもアンバランスなことだと思いませんか!?

 世界を見るときはフラットな目線も、客観的な目線も必要ですよね。

 

 

 ともあれ、この絵本は、そんなに深いお話ししている

雰囲気を一切感じさせずにそんな人生の核心もついている

ようにも見えちゃうような、、、、

 いろいろな動物たちがお互いのことを

うらやましく思ています。

 しかし、うらやましがられている動物たちから見たら

そんなうらやましがられるポイントは自分がけむたいところだったり

するのです。やっぱり世界は見ている側からしか見えないようにできているのですね。

 

 普段、ちっちゃいところを人と比べてしまったりすると

それだけで気持ちがささくれだってしまうこともありますよね(^^)

 そんなときにこの絵本を読んだら、なんかまあみんな

それぞれの立場で自分なりに精一杯生きてるしー!(^^)!って

 力を抜くことができそうです。

 

 ほのぼのとリラックスできる一冊!!